nRF9151 開発導入情報
2025.05.07
nRF9151 開発導入情報

こんにちは。
加賀デバイスのNordic Teamです。
nRF9151がリリースされてからしばらく経ち、採用検討して頂くお客様が増えてきています。その中で開発環境についてお問い合わせ頂く事も多くなってきましたので、nRF9151の開発環境について情報をまとめました。
nRF9151の開発のご参考にして頂ければと思います。
◢◤nRF9151に係るドキュメント
Nordicでは大きく分けて、3つのWebページに情報が掲載されています。
製品群によって掲載されている内容は違ってきますが、nRF91シリーズでは下記となっています。

それぞれのサイトの中でどのような情報があるか、いくつかピックアップしてみました。
◆NordicのHPから得られる主な情報
〇nRF9151製品概要
nRF9151の特徴や開発に必要な情報が一通り掲載されています。

ページの中段の Download からModemFirmwereがダウンロードできます。


ページ中段の Download からサンプルプロジェクトのHEXファイルや、評価ボードの回路図/BOM/ガーバーデータもダウンロードできます。


ページの中段の Get started にnRF9151 DKの使い方の説明があります。

〇nRF9151の認証とアンテナリスト
工事設計認証(Rマーク)と技術基準適合認定(Tマーク)の証明書の確認が出来ます。
工事設計認証に追加されているアンテナリストの一覧も確認が出来ます。

◆TechDocsから得られる主な情報
〇nRF9151関連のドキュメント一覧

・製品仕様書
・設計ガイドライン
・キャリアIoT一覧
・MFWと対応するSDK
・ATコマンド一覧

・nRF91シリーズの開発
・主なサンプルプロジェクト
Serial LTE Modem(ATコマンドベース)
Cellular関連(アプリケーション開発ベース)
その他ネットワーク関連


Cellular Monitor(ネットワークログ取得ツール)
Power Profiler(電流測定ツール)
Programmer(プログラム書き込みツール)
Serial Terminal(ターミナルソフト)
・Power Profiler KitⅡ(上記のPower Profilerと合わせて使用)
◆Devzoneから得られる主な情報
〇一般公開されているQAの検索(Devzoneのサイト内のみ検索)
ページ上部の検索窓に知りたい内容のキーワードを入力して検索します。

〇ASK AIを使った検索(Nordicのサイトやドキュメントなど全ての中から検索)
ASK AIを使用すればNordicの全てのWebページやドキュメントから検索を行います。
Devzoneの右下にあるNordicマークから検索可能です。

日本語対応しているため、分からない事があればまずはこちらを使用する事をお勧めします。

〇Nordicへの問い合わせ方法
上記方法でも問題が解決しなかった場合は、Nordicに問い合わせる事が可能です。
右上の人型マークを選択して、”Not yet a member? Join here.”からアカウントを作成します。


アカウントの作成が終わったら、検索バー横の”Support+”を選択します。

質問方法は一般公開される”Public Q&A”と、Nordicの技術者と1対1でやり取りが出来る”PRIVATE Tech Support”の2種類があります。

質問方法を決めたらProblem Type、Product、Development Stage、Distributorの内容を選んだあとに”Next”を選択します。

あとは、題名と質問したい事項を入力するだけです。
画像やドキュメントもドラック&ドロップで添付する事も可能です。

〇Onlien Power Profiler(簡易的な消費電流シミュレータ)
簡易的なPSMおよびeDRXの消費電流のWebシミュレータです。
ガイドラインもありますのでご興味があれば一度試して頂ければと思います。

〇DevAdademy(開発環境のインストールから基本的な開発の進め方のトレーニング)

以上がNordicが提供している主な情報となります。
それ以外に各サイトには様々な情報が掲載されていますので、ご参照頂ければと思います。
◢◤nRF9151 DKを用いた動作テスト
nRF9151はアプリケーションコア内蔵のLTEモジュールのため、外部MCU無しで開発が可能です。
一方、LTEモジュールをATコマンドだけで制御したいといった要望もあり、nRF9151はそういった用途向けにもサンプルプロジェクトを用意しています。

まずはそれぞれの動作を確認してみたいと思います。
◆外部からATコマンドで制御する場合
nRF9151 DKは出荷状態で Serial LTE Modem のサンプルプロジェクトが書き込まれています。
これは外部からATコマンドで動作させるソフトウェアとなります。
使用出来るATコマンドについては以前のコラムをご参照下さい。
*コラムはnRF9160 DKを使用していますが、基本的な使い方は同じになります。
nRF9160をATコマンドだけで制御してみよう
nRF9160をATコマンドだけで制御してみよう:その2
動作確認方法は、nRF9151 DKをパソコンにつなげてターミナルソフトを起動します。
ターミナルソフトの指定は無く、TeraTermやNordicが用意しているSerial Terminalで動作します。
通信設定は下記です。

nRF9151 DKを接続するとCOMポートが2つ表示されます。
nRF9151 DKのリセットボタンを押した時に “Ready”が表示される方を使用します。

あとはATコマンドを入力していけば、応答動作なども確認が出来ます。
◆1chipで開発をする場合
NordicはnRF9151のアプリケーションMCU向けに様々なサンプルプロジェクトを用意しています。
セルラーのサンプルプロジェクト
ネットワークのサンプルプロジェクト
AWS/Azureへの接続方法やMQTT/CoAPなどのプロトコルのサンプルプロジェクトがあります。
GNSSなどのLocationやFOTAのサンプルプロジェクトもありますので、一度御覧頂ければと思います。
まずアプリケーションMCUとして使用する場合の動作を確認してみたいという事であればnRF Connect for Desktopの中にあるQuick Startをご使用するのをお勧めします。
Quick Startの中には nRF Cloud multi-service のサンプルプロジェクトがあり、様々なデータをクラウドに上げる動作が確認出来ます。
Quick Start使用方法については 以前のコラム をご参照下さい。
動作をさせるとターミナルソフトにログが出力され、nRF Cloudでも受信したデータを確認することが出来ます。


◢◤nRF Connect SDKのトレーニング
nRF9151の開発はnRF Connect SDKを使用しますが、その使い方についてはコラムの冒頭で紹介した ”DevAcademy” をご覧頂くのが一番良いと思います。

トレーニング内容は下記となります。
・nRF Connect SDK Fundamentals:開発環境のインストールからnRF Connect SDKの基本的な使い方
・Cellular IoT Fundamentals:セルラーネットワークへの接続方法からプロトコル(MQTTやCoAP)の使い方
・nRF Connect SDK Intermediate:デバッグ方法、カスタムボードの追加方法、DFU/FOTAについて
基本的な部分は上記トレーニングで学習する事が出来ます。
開発する中で分からない事あればDevzoneの検索機能やAsk AIをご活用頂ければと思います。
これまでご説明してきたようにnRF9151の開発に必要な情報はWebで公開されていますのでご活用頂ければと思います。
nRF9151についてもっと情報が欲しい方は弊社のお問い合わせ にご連絡ください。
今後もNordicの紹介及びコラムにて色々な情報を公開致しますので是非ご確認ください。
また、Facebookでも随時情報を公開しておりますので合わせてご確認ください。
Nordic コラム一覧
nRF Cloud その3 -デバイスのプロビジョニングとデバイス管理-
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