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nRF9151をATコマンドだけで制御してみよう

2025.05.19


こんにちは。
加賀デバイスのNordic Teamです。

以前のコラムで nRF9151の開発導入情報 というコラムを上げましたが、今回のコラムでは実際にnRF9151でATコマンドだけで制御してみたいと思います。
基本的なATコマンドの内容についてはnRF9160とほぼ変わりませんので以前投稿した以下のコラムも併せてご参照下さい。

 コラム:nRF9160をATコマンドだけで制御してみよう
 コラム:nRF9160をATコマンドだけで制御してみよう:その2

◢◤nRF9160とnRF9151のATコマンドの違い
 Modem Firmwareが1.3.xから2.x.xに変更になった事によりいくつかの機能の変更/追加がありました。
 その中で対応するATコマンドにも、追加、削除、機能追加されたものがあります。
  *詳細は各ATコマンドのドキュメントをご参照頂ければと思います

 〇追加されたATコマンド
  AT+CMMS:SMSリレープロトコルリンクの継続性の制御
  AT%DEVICEUUID:デバイス固有のUUIDの読み取り
  AT%SMSDISABLE:NB-IoT時のSMSサービスを無効
  AT%EXCEPTIONALDATA:PDN接続における例外データの送信を有効にします*NB-IoTのみ
  AT%FEACONF:モデムの設定可能な機能の設定
  AT%POWERCLASS:デバイスの送信電力クラスの設定と読み出し
  AT%UICCPOWERSAVE:電力を節約するためのUICC 非アクティブ化の設定
  AT%PALL:PLMN 選択手順で許可される PLMN と許可されない PLMN のリストの設定

 〇削除されたATコマンド
  AT%XRAI・・・RAIの機能はAT%RAIコマンドで制御
  AT%REL14FEAT・・・デフォルトでRel14に対応しているため
  AT%XRFTEST・・・プロダクションテストイメージファームウェアで利用可能

 〇機能が追加されたATコマンド
  AT%XPRODDONE
  AT%XSYSTEMMODE
  AT%XMODEMSLEEP
  AT%MDMEV
  AT+CGEV
  AT%APNRATECTRL
  AT%XMONITOR
  AT%REDMOB
  AT%CMNG

◢◤nRF9151 DKをATコマンドで動かしてみよう
 nRF9151 DKは出荷時にATコマンドで動作する Serial LTE Modem のファームウェアが書き込まれています。
 またnF9151 DKにはOnomondo社とWireless LogicFree社のSIMが同梱されています。
 そのためnRF9151 DKに付属のSIMを挿してパソコンにつなぐだけですぐにATコマンドによる動作確認が可能となっています。

 では早速動かしてみたいと思います。

 nRF9151 DKにSIMを挿してパソコンにつなげたあとに、パソコンのターミナルソフトを起動させます。
 ターミナルソフトは何でも構いませんが、今回はNordicが用意している “nRF Connect fot Desktop” の “Serial Terminal” を使用します。
  *ターミナルソフトの設定は下記となります。

     

 ターミナルソフトを起動させて接続が完了すると “Ready” が表示されます。
  *Readyが表示されない場合はResetボタンを押してみてください。

 〇基地局への接続
  PCに接続した直後の状態でも “AT+CFUN=1” を実行すれば時間はかかりますが基地局に接続します。
  ただ、キャリアやバンド指定することで接続時間が短くなるため、その設定をしていきます。
  またその他のATコマンドも併せてご紹介します。
  今回使用したATコマンドは下記です。  

  AT+COPS:今回はDocomo(44010)に接続
  AT+XBANDLOCK:1,3,8,18,19のみ許可
  AT+XSYSTEMMODE:今回はLTE-Mのみ使用する設定
  AT+CEREG:ログ出力設定
  AT+CFUN:基地局に接続

  ログ(+CEREG:5 xxx)から基地局に接続出来ていることが分かります。

  AWSへの接続もとても簡単に行えます。
  Serial LTE ModemではMQTT用のATコマンドも用意されています。

   MQTT Client AT command

  2つのコマンドのみでAWSに接続が可能です。
   *AWS側の設定は今回の記事では省きます

  AT#XMQTTCONコマンドの応答で “XMQTTEVT:0,0″と返ってきているので接続されているのが分かります。  

 〇消費電力向けのATコマンド
低消費電力向けのATコマンドもいくつか用意されています。
それぞれのコマンドについては別のコラムで紹介していますのでご参照頂ければと思います。

 ・PSMおよびeDRX関連

   AT+CPSMS
   AT+CEDRXS
   AT%XPTW

   コラム:nRF91シリーズのPSMとeDRXについて

 ・その他

   AT%REDMOB
   AT%XDATAPRFL

   コラム:消費電力の最適化

   AT%POWERCLASS
   AT%UICCPOWERSAVE

   コラム:nRF9151の消費電流

nRF9151についてもっと情報が欲しい方は弊社のお問い合わせ にご連絡ください。

今後もNordicの紹介及びコラムにて色々な情報を公開致しますので是非ご確認ください。

また、Facebookでも随時情報を公開しておりますので合わせてご確認ください。

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nRF54L15 開発導入情報

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