nRF91シリーズの消費電流測定
2026.04.07

こんにちは。
加賀デバイスのNordic Teamです。
Nordicが提供する消費電流測定ツールPower Profiler KitⅡ(PPK2)を使用したnRF91シリーズの
消費電流測定方法について過去掲載したコラム内容を纏めましたので、改めてご紹介致します。
コラム:Nordic Power Profiler KitⅡ(PPK2)によるnRF9160の電流測定【追記】
コラム:nRF9151の消費電流
◢◤PPK2とPower Profilerアプリ
PPK2はあらゆるターゲットボードの電流をリアルタイムに測定可能な、手頃で柔軟性のあるツールです。
電流測定はnRF Connect for Desktopの中にあるPower Profilerというアプリと併せて使用します。
Power Profiler app
PPK2とPower Profilerアプリを使用することで2通りの電流測定が可能です。
Source Meter mode:PPK2から電源を供給して電流を測定
0.8V〜5.0V の電圧を供給しながら最大600mAまでの電流測定が可能
Ampere Meter mode:PPK2に流れている電流を測定
耐電圧は 0.8V〜5.0Vで最大1Aまでの電流測定が可能
どちらのmodeでも電流値の測定分解能は同じなので、システムや測定したい電流値に合わせてmodeを選択して頂ければと思います。
◢◤接続方法
PPK2の接続方法をnRF9151 DKを例にしてご紹介します。
〇Source Meter mode
Source Meter modeでは、PPK2とターゲットボードを2線(電源供給用×1、GND×1)で接続します。

〇Ampere Meter mode
Ampere Meter modeでは、PPK2とターゲットボードを3線(電流経路用×2、GND×1)で接続します。

Power Profilerアプリは、接続方法にあわせてPOWER SUPPLY MODEで”Source meter”か”Ampere meter”のどちらかを選択します。
Source Meter modeではターゲットボードに供給する電圧を指定する必要があります。

Power Profilerアプリの使い方についてはドキュメントをご参照下さい。
◢◤PSMとeDRXの電流値の仕様書との比較
PSMのフロアー電流とeDRXの平均電流を測定してみたいと思います。
〇測定環境
測定環境は下記となります。
| Hardware | nRF9151 DK v1.0.0 |
| Software | Serial Modem v1.0.0 |
| Modem Firmware | MFW v2.0.4 |
| 電源電圧(PPK2から供給) | 3.7V |
| SIM | onomondo *nRF9151 DKに付属しているSIM |
| キャリア | Softbank |
| eDRXの設定 | eDRX:81.92s PTW:1.28s |
| PSMの設定 | TAU:30分 Active time:10分 |
| 測定場所 | 弊社屋上 |
*仕様書ではPTWを2.56秒に設定して測定していますが、日本国内でPTWを2.56秒にするとPOが2回発生するため、今回の測定ではPTWを1.28秒にしてPOが1回になるようにしています。
〇入力コマンド
測定に使用したコマンドは下記となります。
| AT%HWVERSION | チップのハードウェアバージョンの確認 |
| AT#XSMVER | Serial Modemのバージョン確認 |
| AT+CGMR | Modem Firmwareのバージョン確認 |
| AT+CEREG=5 | ネットワークのステータス通知許可 |
| AT%XSYSTEMMODE=1,0,0,0 | システムモード(LTE-M)選択 |
| AT+COPS=1,2,”44020″ | キャリア選択 |
| AT+CPSMS=1,””,””,”10111101″,”00101010″ | PSMのTAU(10分)とActive timer(5分)の時間を設定 |
| AT+CEDRXS=2,4,”0101″ | eDRX Cycle(81.92秒)の時間設定 |
| AT%XPTW=4,”0000″ | Paging time window(1.28秒)の時間設定 |
| AT%XDATAPRFL=0 | ネットワークのサーチ時間やSIMのシャットダウン動作などを設定 |
| AT%REDMOB=1 | LTE idle mode時のセルの入れ替えなどを制限 |
| AT%UICCPOWERSAVE=3 | 電力を節約するためのUICC非アクティブ化を設定 |
| AT+CFUN=1 | ネットワーク接続開始 |
| AT%XMONITOR | ネットワーク接続の設定確認 |
| AT#XSLEEP=2 | ATコマンド用のUART停止 |
コマンドを実行した結果が下記となります。

〇eDRXの測定結果と仕様書との比較
eDRXについては、仕様書の値:18μAに対して実測値は20.12μAとなりました。


〇PSMの測定結果と仕様書との比較
eDRXについては、仕様書の値:2.7μAに対して実測値は2.66μAとなりました。


◢◤Power Classの切り替え
nRF9151は最大送信出力をATコマンドでPower Class:3(23dBm)もしくはPower Class:5(20dBm)に切り替える事が出来るようになりました。
これにより、基地局サーチの時などで消費電流が抑えることが可能となります。
実際にPowar Class3(23dBm)とPower Class5(20dBm)でどれくらい消費電流が違うか見てみたいと思います。
<Powar Class3(23dBm)>

<Powar Class5(20dBm)>

Power Class3ではピークで400mA近く流れていますが、Power Class5では250mA程度となっています。
但し、このPower Classの違いが影響してくるのは、電波環境が悪くnRF9151が送信出力をあげる必要があるときのみで、電波環境が良い場所では影響がありません。
電波環境が良い場所での電流値の比較が下記となります。
<Powar Class3(23dBm)>*電波環境が良い場合

<Powar Class5(20dBm)>*電波環境が良い場合

電波環境が良い場所ではnRF9151も送信電力を抑えているため、Power Class3および5ともに最大電流値が100mA程度とほぼ一緒の値となります。
◢◤SIMのシャットダウン動作
nRF9151から追加となったAT%UICCPOWERSAVEの動作について見ていきたいと思います。
AT%UICCPOWERSAVEを使用すればSIMのEF-AD情報に関係なくeDRX期間中にSIMをシャットダウンすることが可能となります。
実際にEF-ADの設定がされていないSIMを使用してAT%UICCPOWERSAVEの機能を試してみました。
<AT%UICCPOWERSAVE=0の場合>*EF-ADの情報通りの動作

<AT%UICCPOWERSAVE=3の場合>*強制的にシャットダウン

AT%UICCPOWERSAVE=0の時であれば平均電流は60μA程度となりますが、AT%UICCPOWERSAVE=3を設定した場合では、25μA以下となりSIMがシャットダウンしていることが確認できます。
今回のコラムでは、いくつかの測定結果を掲載していますが、
消費電流は基地局との接続設定/SIMの設定/電波感度/周囲温度などによって増減します。
そのため電池やバッテリーなどで動作させる場合は、実際の環境で電流を測定する事をお勧めいたします。
nRF91シリーズの消費電流にご興味ございましたら弊社の お問い合わせ にご連絡ください。
今後もNordicの紹介及びコラムにて色々な情報を公開致しますので是非ご確認ください。
また、Facebookでも随時情報を公開しておりますので合わせてご確認ください。
Nordic コラム一覧
第4世代マルチプロトコルSoC 第四弾 nRF54LM20B を発表
関連記事