こんにちは。加賀デバイスのNordic Teamです。 Bluetooth® LEは、低消費電力でありながら高い接続性を実現する無線通信技術として、ウェアラブル機器、IoT機器、医療機器、産業機器など幅広い分野で採用されています。その一方で、ゲーミングマウスやスタイラスペン、AR/VRコントローラーなど、より高いリアルタイム性が求められる用途では「通信遅延」が課題となるケースがありました。 こうした課題を解決するため、Bluetooth SIGはBluetooth Core Specification Version 6.2において、Bluetooth Shorter Connection Intervals(SCI) を新たに追加しました。SCIはBluetooth LEの接続間隔を従来よりも大幅に短縮できる機能であり、より低遅延なBluetooth通信を実現するための重要な技術として注目されています。 本コラムではSCIの仕組みやメリット、想定されるアプリケーションについて解説するとともに、Nordicが提供するSCIソリューションについてご紹介します。 ◢◤Bluetooth LEにおける接続間隔とは? Bluetooth LEで接続されている機器同士は、常時通信を行っているわけではありません。Central(スマートフォンやPCなど)とPeripheral(センサーやマウスなど)は、あらかじめ決められた周期で通信イベントを実行します。この周期を接続間隔(Connection Interval)と呼びます。 例えば接続間隔が10msの場合、10msごとに通信機会が発生するので、新しいデータは次回の通信イベントで送受信されます。つまり、早く次のデータを送りたくても最短で10ms後に送信することになります。 従来のBluetooth LEでは、この接続間隔の下限値は7.5msでした。IoT機器や一般的なBluetooth周辺機器では十分な性能でしたが、より高速な応答性が求められる用途では、この7.5msという制限がボトルネックになる場合がありました。 ◢◤SCI(Shorter Connection Intervals)とは? SCIの追加により、Bluetooth LEの接続間隔を従来よりも短く設定できるようになります。従来のBluetooth LEでは接続間隔の下限値は7.5msでしたが、SCIでは0.375msまで設定可能となりました。 ただし、実際にSCIを利用するためには「Central、Peripheral共にSCIに対応している」必要があります。また、規格上0.375msが定義されているからといって、すべての機器で0.375msの接続間隔が利用できるわけではありません。 SCIでは新たに2つの接続間隔範囲が追加され、従来の接続間隔と合わせて3つのカテゴリに分類して定義しています。 Value Range 説明 最小間隔(ms) 最大間隔(s) 分解能(ms) BCV (Baseline ConnInterval Values) SCI未サポート時のデフォルト範囲(従来の範囲) 7.5 4.0 1.25 RCV (Rounded ConnInterval Values) SCIサポート時の必須範囲 1.25 4.0 1.25 ECV…