nRF9160をATコマンドだけで制御してみよう

こんにちは。加賀デバイスのNordic Teamです。 NordicのnRF91シリーズは一つのチップの中にアプリケーションMCUとモデムを統合しているため、ワンチップでネットワークへ接続出来ることが特徴となっていますが、別のMCUからATコマンドを入力して動作するような構成も実現可能です。 UARTでATコマンドを入れるだけで制御可能です。送受信するデータ量が多い場合はハードウェアフローを使用することをお勧めします。 今回のコラムではnRF9160 DKを使用したATコマンドの事例をご紹介したいと思います。 ◢◤準備 nRF9160はブランク(プログラムが書き込まれていない状態)で出荷されます。そのためATコマンドの評価をするためにNordicが用意しているサンプルプロジェクト:Serial LTE Modem(以降SLM)を使用します。 SLMのサンプルプロジェクトはNordicのHPからダウンロードすることが可能です。  nRF9160 DK application and modem firmware この記事を書いている時の最新バージョンは”2024-03-13_af2b60d2″となります。 ダウンロードしたZIPファイルの中の”nrf9160dk_fw_2024-03-13_af2b60d2\img_app_bl”フォルダにある“nrf9160dk_serial_lte_modem_2024-03-13_af2b60d2.hex”を使用します。 nRF9160への書き込みはnRF Connect for DesktopのProgrammerを使用します。  nRF Connect for Desktop:Download  nRF Connect for Desktop:ドキュメント Programmerを使用することでModem Firmware(以降MFW)やApplication Firmwareを書き込む事が可能です。  Programmer:ドキュメント  Programmer:使用方法 nRF9160 DKの準備はこれで以上となります。 あとはパソコン側の設定となります。 ATコマンドの確認はnRF connect for Desktopの”serial terminal”を使用します。 *他のターミナルソフトでも代用可能です。serial terminalの場合であればCOMポートは自動で選択されます。nRF9160 DKのリセットボタンを押した時に”Ready”が表示されるの確認したり、”AT”と入力して”OK”と返ってくれば接続成功です。  Serial Terminal:ドキュメント ”Ready”が表示されなかったり、”OK”が返ってこない場合は違うCOMポートを選択して試してみて下さい。  serial terminal以外のターミナルソフトを使用される場合は少し注意が必要です。SLMが書き込まれたnRF9160 DKとPCを接続するとCOMポートが3つ表示されます。 nRF9160 DKのUARTのポートをパソコンがどの順番で認識したかによって、ATコマンドで使用出来るCOMポートが変わってきます。 COMポートの設定は下記となります。…