第4世代マルチプロトコルSoC 第三弾 nRF54LV10Aを発表

こんにちは。加賀デバイスのNordic Teamです。 Nordicが第4世代マルチプロトコルSoCの新製品 nRF54LV10A を発表しました! 現在nRF54LシリーズではnRF54L15、nRF54L10、nRF54L05の3製品がリリースされています。nRF54LシリーズのSoCは超低消費電力の2.4GHz無線と、Arm Cortex-M33プロセッサ(128MHz)を搭載したMCU、豊富な周辺機能、そしてスケーラブルなメモリ構成で構成されています。 ◢◤ nRF54LV10A SoC新たに発表されたnRF54LV10Aは、既存のnRF54Lシリーズより周辺機能を最小限に抑え、1.2V~1.7Vの電源圧範囲をサポートする低電圧SoCです。nRF54LV10Aは小型ウェアラブルバイオセンサー、医療・ヘルスケア機器など酸化銀コイン電池で動作するデバイス向けに設計されています。特徴の一つとしてHibernation(休止) mode機能を持っており、輸送・保管中に超低消費状態でHibernation(休止)させることにより、ボタン電池に挟む絶縁シートを削減することができます。 既存のシリーズ同様、マルチプロトコル2.4GHz無線は、Bluetooth Low Energy以外にも多くのプロトコルをサポートしBluetooth Channel Soundingを含むBluetooth 6.0もサポートしています。 主な特長・Arm Cortex-M33プロセッサ(128MHz)・RISC-Vコプロセッサ・NVM(不揮発性メモリ):1MB・RAM:192KB・MAX GPIO:31・超低消費電力マルチプロトコル2.4GHz無線 – Bluetooth(LE ,Mesh) – IEEE802.15.4(Thread ,Zigbee) – 2.4GHz独自プロトコル(最大4Mbps)・セキュアブート、セキュアファームウェアアップデート、セキュアストレージ・暗号化アクセラレータ(サイドチャネル漏洩保護、改ざん検出機能)・電源電圧:1.2V~1.7V・システム hibernation mode(< 50nA)・パッケージ:6.0×6.0 mm QFN, 1.93×2.29 mm CSP ◢◤評価ボード合わせてリリースされるnRF54LV10 DK(Development kit)は、手頃な価格でnRF54LV10Aを使用した開発に必要な機能を1枚のボードに搭載しています。nRF Connect SDKと各開発ツールはnRF54LV10 DKを完全にサポートしています。 主な特長・搭載SoC:nRF54LV10A・8MB 外部Flashメモリ・仮想シリアルポートを介したUART I/F x2・2.4GHzアンテナ・SWF RFコネクタ・SEGGER J-Link OBプログラマ/デバッガ・LEDx4、ボタンx4・消費電力測定用端子・USBから1.2V~1.7Vのユーザープログラム可能な電源を供給するPMIC(nPM1300)搭載 nRF54LV10AおよびnRF54LV10 DKの販売開始は2026年を予定しています。ご興味ございましたら弊社のお問い合わせ にご連絡ください。 今後もNordicの紹介及びコラムにて色々な情報を公開致しますので是非ご確認ください。 また、Facebookでも随時情報を公開しておりますので合わせてご確認ください。

nRF52とnRF54Lの仕様差異と設計ワンポイントアドバイス

こんにちは。加賀デバイスのNordic Teamです。 nRF54Lシリーズがリリースされ、様々な媒体でnRF54Lシリーズの特徴が公開されています。特に高性能化、低消費電力化が最大の特徴として上げれていますが、nRF54LシリーズはnRF52シリーズと比較して、いくつか異なる点があります。nRF52シリーズで設計・開発の経験がある方からすると、戸惑うところもあるかと思います。そこで今回は、nRF52シリーズとnRF54Lシリーズでの設計上、特に大きく異なる3点を下記にて紹介致します。 1.NVM(不揮発性メモリ)2.内部電源(レギュレータ) 3.GPIO ピンアサイン ◢◤1.NVM(不揮発性メモリ)nRF54Lシリーズのデータシートを見ると、nRF52シリーズでは”Flash”と記載されていた箇所が“NVM(RRAM)”に変わっている事がわかります。 NVMとはNon-volatile memory 、つまり不揮発性メモリを指します。nRF52シリーズではNVMにFlashメモリを採用していましたが、nRF54LシリーズではRRAM(抵抗変化型)メモリを採用しています。 一般的にRRAMとFlashを比較すると下記の違いがあります。 Flash メモリ RRAM メモリ 書き込み方式 書き込み前に消去が必要(Erase-before-write) 消去不要で直接上書き可能(Over write) 書き込み速度 遅い(消去・書き込み時間が長い) 速い(消去不要で即時書き込み) 消費電力 書き込み時に比較的高い 書き込み時に低い 耐久性 書き換え・消去回数制限有(ウェアレベリング必須) 高耐久(書き換え回数が多い) RRAMメモリの場合、ファームウェアの書き込み/消去時は特に意識する必要はないですが、ユーザーアプリケーションからストレージとして使用する場合は注意が必要です。 Flashメモリをストレージとして使用する場合、NVS(Non-Volatile Storage)というサブシステムを使用していましたが、RRAMメモリではZMS(Zephyr Memory Storage)を使用する必要があります。ZMSでは書き込みと消去のサイクル数を削減し、不揮発性メモリの寿命を延ばす柔軟なデータ管理システムを採用しています。 TechDocsに使用方法など詳細が記載されているので、nRF54LシリーズでNVMをストレージとして使用する際はご一読ください。 ◢◤2.内部電源(レギュレータ) nRF52シリーズでは内部電源にLDOを使用するのか、DC/DCを使用するのかをユーザーが選択することができました。一方、nRF54Lシリーズでは起動時のみLDOが使用され、その後はDC/DCでの動作のみがサポートされています(LDOは初期化時専用) nRF54LシリーズではLDOを使い続けることは想定されておらず、DC/DCでの運用が必須です。外部インダクタが未接続の場合はLDOのままですが、これは異常状態として検出されます。 この設計方針は、最新プロセス技術とシステム全体の省電力化を最大限に活かすためのもので、nRF54LシリーズはnRF52シリーズと比較して、アクティブ時・無線通信時ともに消費電流が大幅に低減しています。 データシートの”Current consumption”(消費電流)の項の条件も、nRF52シリーズでは基本LDOでの値が記載されており、DC/DCの場合は項目ごとに条件に追記されていましたが、nRF54LシリーズではDC/DCの値のみ記載されている点ご注意ください。 ◢◤3.GPIO ピンアサイン nRF52シリーズではほとんどのピンが汎用的に使用でき、どの周辺機能にも割り当て可能でした(一部アナログ/NFC/クリスタル用ピンを除く) nRF54Lシリーズではパワードメイン(※後述)毎に周辺機能とGPIOが分かれているので、ピンアサインやGPIOの機能を使用する際に考慮する必要があります。 この違いは内部電源構造の違いによるものです。nRF52シリーズではすべてのGPIOが同じ内部電源管理下にありましたが、nRF54Lシリーズではパワードメインを分けて、それぞれ独立して電源管理を行っています。 SoCに複数のパワードメインを実装する主な理由の一つは、低消費電力動作を実現することです。各ドメインに個別に電源を供給できるようにすることで、チップの大部分を必要のないときにオフにすることができ、消費電力の低減に貢献します。 ◆パワードメイン nRF54L シリーズのアーキテクチャは 4 つのパワードメインに分かれています。 ●1. MCUドメイン(MCU PD)主な用途:高性能な処理(最大128MHz)を必要とする機能含まれる機能:Arm Cortex-M33、RISC-Vコプロセッサ、高速通信(HS-SPIなど)周辺機能No:0から始まる(例:UARTE00など)専用GPIO:P2…