nRF9151をATコマンドだけで制御してみよう

こんにちは。加賀デバイスのNordic Teamです。 以前のコラムで nRF9151の開発導入情報 というコラムを上げましたが、今回のコラムでは実際にnRF9151でATコマンドだけで制御してみたいと思います。基本的なATコマンドの内容についてはnRF9160とほぼ変わりませんので以前投稿した以下のコラムも併せてご参照下さい。  コラム:nRF9160をATコマンドだけで制御してみよう コラム:nRF9160をATコマンドだけで制御してみよう:その2 ◢◤nRF9160とnRF9151のATコマンドの違い Modem Firmwareが1.3.xから2.x.xに変更になった事によりいくつかの機能の変更/追加がありました。 その中で対応するATコマンドにも、追加、削除、機能追加されたものがあります。  *詳細は各ATコマンドのドキュメントをご参照頂ければと思います  〇追加されたATコマンド  AT+CMMS:SMSリレープロトコルリンクの継続性の制御  AT%DEVICEUUID:デバイス固有のUUIDの読み取り  AT%SMSDISABLE:NB-IoT時のSMSサービスを無効  AT%EXCEPTIONALDATA:PDN接続における例外データの送信を有効にします*NB-IoTのみ  AT%FEACONF:モデムの設定可能な機能の設定  AT%POWERCLASS:デバイスの送信電力クラスの設定と読み出し  AT%UICCPOWERSAVE:電力を節約するためのUICC 非アクティブ化の設定  AT%PALL:PLMN 選択手順で許可される PLMN と許可されない PLMN のリストの設定  〇削除されたATコマンド  AT%XRAI・・・RAIの機能はAT%RAIコマンドで制御  AT%REL14FEAT・・・デフォルトでRel14に対応しているため  AT%XRFTEST・・・プロダクションテストイメージファームウェアで利用可能  〇機能が追加されたATコマンド  AT%XPRODDONE  AT%XSYSTEMMODE  AT%XMODEMSLEEP  AT%MDMEV  AT+CGEV  AT%APNRATECTRL  AT%XMONITOR  AT%REDMOB  AT%CMNG ◢◤nRF9151 DKをATコマンドで動かしてみよう nRF9151 DKは出荷時にATコマンドで動作する Serial LTE Modem のファームウェアが書き込まれています。 またnF9151 DKにはOnomondo社とWireless LogicFree社のSIMが同梱されています。 そのためnRF9151 DKに付属のSIMを挿してパソコンにつなぐだけですぐにATコマンドによる動作確認が可能となっています。  では早速動かしてみたいと思います。  nRF9151 DKにSIMを挿してパソコンにつなげたあとに、パソコンのターミナルソフトを起動させます。 ターミナルソフトは何でも構いませんが、今回はNordicが用意している “nRF Connect fot Desktop” の “Serial Terminal” を使用します。  *ターミナルソフトの設定は下記となります。        ターミナルソフトを起動させて接続が完了すると “Ready” が表示されます。  *Readyが表示されない場合はResetボタンを押してみてください。  〇基地局への接続  PCに接続した直後の状態でも “AT+CFUN=1” を実行すれば時間はかかりますが基地局に接続します。  ただ、キャリアやバンド指定することで接続時間が短くなるため、その設定をしていきます。  またその他のATコマンドも併せてご紹介します。  今回使用したATコマンドは下記です。     AT+COPS:今回はDocomo(44010)に接続  AT+XBANDLOCK:1,3,8,18,19のみ許可  AT+XSYSTEMMODE:今回はLTE-Mのみ使用する設定  AT+CEREG:ログ出力設定  AT+CFUN:基地局に接続   ログ(+CEREG:5 xxx)から基地局に接続出来ていることが分かります。   AWSへの接続もとても簡単に行えます。  Serial LTE ModemではMQTT用のATコマンドも用意されています。    MQTT Client AT command…

nRF9151 開発導入情報

こんにちは。加賀デバイスのNordic Teamです。 nRF9151がリリースされてからしばらく経ち、採用検討して頂くお客様が増えてきています。その中で開発環境についてお問い合わせ頂く事も多くなってきましたので、nRF9151の開発環境について情報をまとめました。nRF9151の開発のご参考にして頂ければと思います。 ◢◤nRF9151に係るドキュメントNordicでは大きく分けて、3つのWebページに情報が掲載されています。製品群によって掲載されている内容は違ってきますが、nRF91シリーズでは下記となっています。 Nordic HP TechDocs DevZone それぞれのサイトの中でどのような情報があるか、いくつかピックアップしてみました。 ◆NordicのHPから得られる主な情報 〇nRF9151製品概要  nRF9151の特徴や開発に必要な情報が一通り掲載されています。   ページの中段の Download からModemFirmwereがダウンロードできます。    〇nRF9151 DK(評価用ボード)の情報   ページ中段の Download からサンプルプロジェクトのHEXファイルや、評価ボードの回路図/BOM/ガーバーデータもダウンロードできます。   ページの中段の Get started にnRF9151 DKの使い方の説明があります。  〇nRF9151の認証とアンテナリスト  工事設計認証(Rマーク)と技術基準適合認定(Tマーク)の証明書の確認が出来ます。  工事設計認証に追加されているアンテナリストの一覧も確認が出来ます。 ◆TechDocsから得られる主な情報 〇nRF9151関連のドキュメント一覧   ・製品仕様書  ・設計ガイドライン  ・キャリアIoT一覧  ・MFWと対応するSDK  ・ATコマンド一覧  〇ソフトウェア開発環境(nRF Connect SDK)    ・nRF91シリーズの開発    ・主なサンプルプロジェクト     Serial LTE Modem(ATコマンドベース)     Cellular関連(アプリケーション開発ベース)     その他ネットワーク関連  〇nRF91シリーズの開発に役立つツール   ・nRF Connect for Desktop       Cellular Monitor(ネットワークログ取得ツール)    Power Profiler(電流測定ツール)    Programmer(プログラム書き込みツール)    Serial Terminal(ターミナルソフト)   ・Power Profiler KitⅡ(上記のPower Profilerと合わせて使用) ◆Devzoneから得られる主な情報 〇一般公開されているQAの検索(Devzoneのサイト内のみ検索)  ページ上部の検索窓に知りたい内容のキーワードを入力して検索します。  〇ASK AIを使った検索(Nordicのサイトやドキュメントなど全ての中から検索)  ASK AIを使用すればNordicの全てのWebページやドキュメントから検索を行います。  Devzoneの右下にあるNordicマークから検索可能です。   日本語対応しているため、分からない事があればまずはこちらを使用する事をお勧めします。    〇Nordicへの問い合わせ方法  上記方法でも問題が解決しなかった場合は、Nordicに問い合わせる事が可能です。  右上の人型マークを選択して、”Not yet a…