スマホで簡単!チャネルサウンディング評価

こんにちは。加賀デバイスのNordic Teamです。 Bluetooth® 6.0で追加され、昨今注目されているBluetooth LEを利用した高精度距離測定技術 チャネルサウンディング(Channel Sounding)をスマートフォンで評価できるようになったので、今回はその方法と測定結果をご紹介いたします。 以前のコラムでNordicのnRF54L15 DKを2台使用した、チャネルサウンディングによる測距を評価するソリューションを紹介させて頂きました。 その後、Nordicが提供するAndroid向けモバイルアプリツールnRF Toolboxにチャネルサウンディングのサポートが追加されたことにより、nRF54L15 DKとスマートフォン(Google Pixel10)を使用して、Android上でチャネルサウンディングを評価・活用できるようになりました。※26年1月現在、使用できるスマートフォンは Google Pixel10のみ なお、チャネルサウンディングの測距技術の詳しい説明やNordicのソリューション、nRF54L15 DKでの測定方法については以前のコラムをご覧ください。 ◢◤チャネルサウンディングの構成チャネルサウンディングではイニシエーター(Initiator)とリフレクター(Reflector)の2つのBluetooth LEデバイス間の距離を推定します。 ・イニシエーター:自デバイスから対向デバイス(リフレクター)までの距離を算出するデバイス・リフレクター:イニシエーターに応答するデバイス 以前のコラムではイニシエーター/リフレクターともにnRF54L15 DKを使用していましたが、今回はGoogle Pixel10をイニシエーター、nRF54L15 DKをリフレクターとして使用します。 ◢◤測定環境 ◆用意するもの ● Google Pixel10(どのモデルでも動作します)  ▶ Android 16(最新バージョン) ※2025年12月2日リリースのQPR2以降  ▶ nRF Toolboxアプリ(バージョン4.1.4以降)  ● nRF54L15 DK  ▶ nRF Connect SDK バージョン3.0.1以降   ▶ チャネルサウンディングリフレクターサンプルソフト※若干の変更が必要 ※Android及びnRF Connect SDKは測定時点での最新バージョンをご使用ください。 両者のバージョンによっては正常に動作しない可能性があります。 ◢◤サンプルソフト変更内容 ※nRF Connect SDK バージョン3.2.0以降、prj.confに変更を加える必要がなくなりました。 Build configurationで、[Extra Kconfig fragments]に android_ranging.conf を追加し Buildするだけで評価可能です。 nRF54L15 DKをGoogle…

連載:現場目線で選ぶイメージセンサ ~第1回:「とりあえず高画素」の前に知っておきたい、画素数・センササイズ・画素サイズの『三角関係』

OMNIVISION Technologies, Inc.(オムニビジョン・テクノロジーズ) はじめに こんにちは。加賀デバイスのOMNIVISION Teamです。 これまで当コラムでは、OMNIVISION社イメージセンサを搭載した製品情報の紹介などを中心にお届けしてきましたが、今回は少し趣向を変え、日頃の設計現場に寄り添ったテーマを取り上げます。 私たちの身の回りには、スマートフォン、ドライブレコーダー、防犯カメラ、さらには工場の自動化ロボットまで、驚くほど多くの「カメラ」が溢れています。そして、その「目」の役割を担っているのがイメージセンサです。 しかし、いざ自社製品にカメラを組み込もうとイメージセンサ選定を始めた際、「解像度、感度、HDR、インターフェース……用語が多すぎて、何から手をつければいいのかわからない」「スペック表の数字は立派だけど、実際に使ってみたら思っていた画像と違う……」といった悩みに直面したことはないでしょうか?カタログに並ぶ「高画素」「高感度」といった言葉だけでは、実は本当に最適なセンサは見えてきません。 そこで、イメージセンサの「スペックの正しい読み解き方」と「選定のツボ」を紐解く新連載をスタートすることにしました。本コラムでは、OMNIVISION社のイメージセンサ製品リスト※1にあるスペック項目をヒントにしながら、実務で特に重要になるポイントをピックアップして解説していきます。 教科書通りの解説ではなく、現場でよくある失敗や、スペック表の行間に隠されたトレードオフの関係など、設計の現場に直結する生きた情報をお伝えしていく予定です。これからカメラ設計を始める皆さんの「虎の巻」になれば幸いです。 ※1:OMNIVISION HP内のイメージセンサ製品リスト ・OMNIVISION Image Sensor Product 第1回:「とりあえず高画素」の前に知っておきたい、画素数・センササイズ・画素サイズの『三角関係』 ■「とりあえず4K」はトラブルの元?「今度の新製品、とりあえずカメラは4K(約800万画素)でいこう」 企画会議でそんな指示が飛ぶことがあるかもしれません。スマートフォンの高画素化に慣れた私たちは「画素数が多い=無条件で高性能」と考えがちです。しかし、明確な目的なく高画素化を進めた結果、後段デバイスの処理性能が不足し、十分なフレームレートが出ない、あるいは発熱や消費電力の問題が顕在化する・・・等、設計のやり直しに繋がるケースは珍しくありません。 連載第1回となる今回は、スペック表の左側に並ぶ『Resolution』『Optical Format』『Pixel Size』の3つに注目します。これらを個別にではなく「セット」で理解することが、用途に合った最適なセンサ選定の第一歩となります。 ■ まず押さえておきたい!「3つの基本用語」カタログの数字が意味する「物理的な制約」を正しく把握するために、まずは基本用語の意味とその関係性を「雨水を貯めるグラウンドとバケツ」に例えて整理しておきましょう。 1. Resolution(画素数 / 解像度)【本来の意味】 イメージセンサに敷き詰められた有効な画素(ピクセル)の総数です。例えば、「1920×1080(約200万画素=2MP / 1080p)」「3840×2160(約800万画素=8MP / 4K)」のように表記され、映像の「細かさ・精細さ」を決定します。本章タイトルにある高画素というのは、このピクセルの総数が多い事を指しています。 【イメージ】並べる「バケツの総数」。数が多いほど、「グラウンドのどこに・どれだけの雨が降ったか(=光の強弱)」をより細かく測ることができるため、細部までくっきりとした映像になります。 2. Optical Format(センササイズ / 光学サイズ)【本来の意味】 センサが光を受け取る面(受光面)の広さを示す規格です。昔のビデオカメラの真空管の直径に由来する慣例で、「1/4インチ」「1/2.7インチ」といった単位で表記されます。このサイズに合わせて光を集めるレンズを選定します。※注:基板に実装する部品の「パッケージ外形寸法」とは異なります。 【イメージ】 バケツを並べる「グラウンドの広さ」。広ければ、バケツの数を増やしやすく、また、バケツ一つ一つのサイズを大きくしやすくなります。 図1:センササイズのイメージ 3. Pixel Size(画素サイズ / 画素ピッチ)【本来の意味】1つ1つの画素の物理的な一辺の長さです。単位は「μm(マイクロメートル)」で表記されます(例:2.2μm、3.0μmなど)。この数値が大きいほど、1画素あたりの受光面積が広く光を集めやすくなるため、一般的※には感度(暗所性能)が高くなります。一方で画素サイズが小さい場合、暗い環境ではノイズが目立ち実際の映像が荒く見えることがあります。※回路設計やプロセス技術にも依存します。ここはOMNIVISION社が工夫を凝らしている部分なので、今後の連載で解説する予定です。【イメージ】 光を受け止める1つ1つの「バケツの大きさ」。バケツが大きければ雨を受け止めやすくなる=感度が高くなります。 これらの3つのパラメータを簡易的に図示します(図2)。 図2:各パラメータの概念図 この3つは「グラウンドの広さ(センササイズ)を変えずに、バケツの数(画素数)を増やせば、必然的にバケツ1つの大きさ(画素サイズ)は小さくなる」という関係にあります。 図3:各パラメータの関係性イメージ ■ 1….